はじめに
コンサル業務でパワーポイントのアーキテクチャ図を作成する機会が多く、「AIで自動生成できないか」とずっと考えていました。UML形式であればある程度の精度で出力できることはわかっていたものの、パワーポイント形式への直接出力はなかなか実現できずにいました。
ChatGPTでも試してみましたが、納得のいく結果が得られませんでした。そんなとき、ClaudeのPowerPointアドインを発見。実際に使ってみると、実用的なレベルでアーキテクチャ図を出力できたので、手順とアウトプット品質をまとめます。
まず結果
まず、実際の出力結果をご覧ください。
■手動作成のアーキテクチャ図

■Claudeが出力したアーキテクチャ図

Claudeで出力されたイマイチだった部分を以下に示しておきます。プロンプトを改善することでもしかするとさらに精度を上げられるかもしれません。
・文字の大きさが不統一
・ALBのアイコンを出力してくれなかった
・線が曲がっている。
・リージョンを書いてくれなかった
・凡例の色分けがわかりにくい。
・「Users」とか「ACM cert」とか、一見意味ありそうだが情報として浮いている(なんの情報なのか不明)
なお、このアーキテクチャ図は以下のハンズオン記事に対応します。実際にこの構成を構築してみたい方はこちらを参考にしてください。

前提
・Claude Proをサブスクリプションしていること。
・PowerPointがインストールされていること。
出力手順
Step1:AWSアイコン用パワーポイントのダウンロード
AWSは、アーキテクチャ図をパワーポイントで表現するためのアイコンを提供しているため、
以下のサイトからパワーポイントのダウンロードを行います。その後「AWS-Architecture-Icons-Deck_For-Dark-BG_07312025.pptx」を開いてください。(※バージョンによってはファイル名は異なる可能性もあります)
https://aws.amazon.com/jp/architecture/icons/

Step2:Claudeのパワーポイント用アドインを追加する。

Claudeアドインをインストール。
Step3:プロンプトを考える
プロンプトは自分で考えても構いませんが、今回は以下の2段階のアプローチをとりました。
①AIにプロンプトを出力させる
↓
②そのままプロンプトを投げて、アーキテクチャ図を出力させる
※実際のプロンプトを以下に添付します。
■①プロンプトを出力するプロンプト
以下の条件でAWSのアーキテクチャ図をAIに出力してもらいたいです。
最高品質の回答を得られるようなプロンプトを考えてください
<条件>
・DynamoDB、ECS fargate、API gatewayを利用したサーバレスAPIアーキテクチャ
・ACMでパブリック証明書を取得し、外部からはhttpsでアクセス。 内部はhttpでアクセス
・アプリケーションはpythonのサンプルアプリケーション。
・ECRを利用し、pythonアプリケーションイメージを格納
・ALBを作成し、ap-northeast-1cにECSを起動するように設定
・VPCはデフォルトのものを作成
・API gatewayのルートは/itemsを作成
・VPCでap-northeast-1a,ap-northeast-1c,ap-northeast-1dのリージョンも表現してください
・デフォルトで作成されるサブネットも図で表現してください
<出力形式>
・パワーポイントスライドを1枚生成(アドイン上でプロンプトを投げているため。)
・AWS公式アイコンを必ず利用する
■②アーキテクチャ図作成プロンプト
あなたはAWSに精通したシニアクラウドアーキテクトであり、設計レビューにそのまま提出できるレベルの高品質なアーキテクチャ図を作成する専門家です。
以下の要件に厳密に従い、「AWS公式アイコンを使用したパワーポイント(.pptx)1枚スライド」でアーキテクチャ図を生成してください。
■最重要要件
・AWS公式アイコンセットを必ず使用すること
・構成要素は実運用を想定した正確な配置とすること
・ネットワーク境界(VPC、AZ、サブネット)を明確に表現すること
・通信経路(HTTPS / HTTP)を矢印で明確に記載すること
・1枚のスライドに収まるように可読性高くレイアウトすること
■アーキテクチャ要件
・API Gateway + ECS Fargate + DynamoDB によるサーバレスAPI構成
・API Gatewayのエンドポイントは「/items」
・外部からの通信はHTTPS(ACMのパブリック証明書を使用)
・内部通信はHTTP
・ALBを経由してECSへルーティング
・ECS Fargateは ap-northeast-1c に配置
・ECRにPythonアプリケーションのコンテナイメージを格納
・アプリケーションはシンプルなPython API(例:FlaskまたはFastAPI)
■ネットワーク構成
・デフォルトVPCを使用
・以下の3つのAZを必ず図に含める:
ap-northeast-1a
ap-northeast-1c
ap-northeast-1d
・各AZにデフォルトサブネットを明示的に描画
・ALBはパブリックサブネットに配置
・ECSはプライベートサブネットに配置(※デフォルト構成に準拠した表現でOK)
■構成要素(必ず含める)
・インターネット(ユーザー)
・API Gateway
・ACM(証明書)
・ALB
・ECS Fargate
・ECR
・DynamoDB
・VPC
・Availability Zones(3つ)
・Subnets(各AZごと)
■表現ルール
・通信プロトコルを明記:
Internet → API Gateway:HTTPS
API Gateway → ALB:HTTP
ALB → ECS:HTTP
ECS → DynamoDB:AWS内部通信
・矢印でリクエストフローを明示
・各コンポーネントに簡潔なラベルを付与(例:"/items API" など)
■レイアウト指示(重要)
・左から右にリクエストが流れる構成
・上部:インターネット / API Gateway
・中央:ALB
・下部:VPC(AZで区切る)
・右側:DynamoDB
・ECRはECSの近くに配置
■出力形式
・PowerPoint(.pptx)
・スライドは1枚のみ
・背景は白または薄色
・フォントは視認性重視(小さすぎない)
■禁止事項
・非公式アイコンの使用
・論理的に不正確な構成
・曖昧な表現(例:「アプリ」だけの表記)
・AZやサブネットの省略
■期待する出力
・そのまま設計レビューに提出できるレベルの完成度
・視覚的に一目で構成が理解できる図
・AWSベストプラクティスに準拠した構成
不足情報があれば合理的に補完し、その判断理由も簡潔に示してください。
Step4:出力
実際にパワーポイント上でプロンプトを投げて、しばらく待つと以下のような感じで最後のスライドにアーキテクチャ図が出力されました。

■補足
・何回か編集/削除権限が聞かれるので許可する必要があります。
・結構は約10分くらいかかった印象です。
まとめ
個人的には、実務で十分活用できるユースケースだと感じました。完璧な図が一発で出来上がるわけではありませんが、ベース図を自動生成してもらい、細部を手動で修正するという使い方であれば、確実に作業効率が上がります。
プロンプトの工夫次第でさらに品質を高める余地もあります。たとえば「アイコンサイズは15px正方形で統一」「文字サイズは10px固定」といった具体的な指示を加えると、より整ったレイアウトになるかもしれません。
AIツールは日々進化しており、活用の幅も広がり続けています。「AIでこの作業を効率化できないか」という視点を持ちながら、新しいツールを実際に試してみる習慣が、長期的には大きな差につながると感じています。


コメント